ツツジ・サツキの育て方 | 神多野園芸

2016/03/30 21:19


各品種の開花写真は、以下にも掲載。


(随時更新。最終更新は2019/5/3)


学名:Rhododendron spp.

開花期:4月から5月上旬頃。品種や気候にも因る。

剪定・刈込:花後が適期の品種が多い。来年用の花芽が7月から8月頃に形成されるので、それまでに済ませると良い。以降は樹形を乱す枝や不要枝を剪定する程度。

樹高:低木が多いが、小高木もある。全体的に大きくなり過ぎず、鉢植えや庭木、盆栽等に適する。

病気:強い。稀に春から初夏にモチ病。罹患した葉は、食べ物のモチの様に膨らむ。発見次第取り除く。
害虫:強い。強い。特にルリチュウレンジバチの幼虫や、ツツジグンバイムシの被害が大きい。

    発見次第殺虫剤を散布する。他にはハダニやハマキムシ、毛虫等も発生する。
日照:日向から半日陰を好む。耐陰性のある品種もある。
成長:萌芽力の強い品種が多く、刈り込みによく耐える。
耐寒性:強い。アザレアの温室向けの品種はやや弱い。平戸ツツジも若干弱い(特に幼苗)。
耐暑性:強い。
施肥:2月から3月頃の寒肥と、花後のお礼肥え。鉢植えでは秋にも施肥するとより良い。緩効性肥料、油粕、鶏糞等。根が地表近くに伸びるので、根元から少し離れた個所に施肥する。

用途:庭木、シンボルツリー、添景木、花壇、生垣、鉢植え、盆栽、花材、目隠し等。

    枝葉が密に茂り、萌芽力が強いことから、仕立物にも多用される。半球形や円筒形等。

    強健で、道路沿いにもよく列植されている。



【育て方の備考】


・剪定と刈込は花期終了直後に行う。夏に花芽が形成されるので、それ以降の剪定は花芽を落としてしまう。


・深植えしない。ツツジは浅く根を張る性質。深植えが過ぎると生育に悪影響を及ぼす。


・根が浅く狭く伸びる為、(特に夏の)水切れに弱い。日照りが続く場合、涼しい朝か夕方に灌水する

 と良い。


・水切れを嫌うが、排水性が悪いと根腐れを起こす。そのような土壌では、排水溝切り等で改善する。


・他の樹木に比べ、移植し易い。根が浅い為、掘り取りも容易。


・ツツジは酸性土壌を好むが、日本は弱酸性土壌が多く、普通の庭等に植えても良く育つ。

 石灰を撒いた畑等のアルカリ性に傾いた土地に植える場合、鹿沼土やピートモスを混ぜて植えこむと良い。

 ツツジは排水性の良い土が好ましいので、排水性の良い酸性土である鹿沼土は相性が良い。


・特に春から初夏に掛けて、新葉と新梢にモチ病が発生する場合がある。

 罹患部が膨れ、緑白色や桃色に変色し、後に白い粉を吹いて餅のようになる。

 見つけ次第、罹患部を取り除く。被害が著しい場合、銅水和剤を散布する。

 去年の菌が越冬して今年の新葉と新梢に発生するので、罹患部を残さないようにする。

 モチ病を発症していなくても予防を兼ねて、春の新葉の展開前後に銅水和剤を散布すると良い。



・ルリチュウレンジバチの幼虫や、ツツジグンバイ等の害虫が、葉や蕾を食害するので、発見次第捕殺する。


 ルリチュウレンジバチの若齢幼虫は、初めは群れて食害し、成長すると独立して葉を食害する。
 食欲旺盛であり、放置すると被害が大きくなる。春から秋まで発生。
 群れている若齢幼虫を纏めて捕殺するか、殺虫剤を散布する。


 ツツジグンバイは、葉の汁を吸い、葉色が悪くなる。初夏から夏に多い。


 日頃から株を観察し、葉が食害されていないか観察すると良い。

 害虫の被害がなくとも予防を兼ねて、春から秋に数度薬剤散布するのも良い。

 ツツジは強健で萌芽力があるので、多少食害されても枯死しないが、大発生して被害が大きくなる前に、早めに対処する。


 散布する薬剤として、オルトラン液剤や、スミチオン乳剤等が有効且つ、手軽に入手出来る。


 オルトランは、粒剤や液剤等の種類があるが、粒剤は小さい草本向けなので、液剤を用いると良い。
 浸透移行性で、持続期間の長さが特徴。害虫発見時に散布するのは勿論、予防的に散布するのにも向く。


 スミチオン乳剤は、オルトランと違って持続期間は短いので、害虫発見時に散布する用法が向く。
 ツツジに限らず、色々な植物の、色々な害虫に効果的。


 上記2種の他にも、有効な薬剤はある。薬剤のラベルに適用作物と害虫が書かれている。
 植栽の規模によっては、家庭用の殺虫剤でも良いだろう。


 液状の薬剤を散布する場合、葉の裏表にしっかり掛かるように散布する事が肝要。
 オルトランは浸透移行性なのでまだ良いが、スミチオン等は、葉の裏までしっかりと掛かるように散布する。




【概要】

ツツジ科ツツジ属にはツツジやシャクナゲ等、特別花が美しい品種が多い。この項ではツツジとサツキ、アザレアを扱う。

大きな花が樹幹を覆うように咲かせ、目を引く美しさ。

花色が豊富で、白色、赤色、桃色、紫色等豊富。色の濃淡があったり、絞りが入ったり、芸が細かい。

咲き方も、一重咲きや二重咲き、八重咲き等様々。

常緑性や落葉性、半落葉性の広葉樹。庭木等には常緑性の品種が良く用いられる。

低木が多く、鉢植えや庭木、盆栽等に向く。


ツツジやサツキの品種の中には、冬に葉が赤色から赤茶色に紅葉する品種もある。日向で顕著。

下の写真は、久留米ツツジ ”黒光司(コッコウノツカサ)”の冬の紅葉。



◆主な品種群

古くから人々に愛され、古今東西でで様々な品種が作出され続けている。

園芸品種は非常に多いが、原種も多くの種類がある。

以下は有名な品種群の極一部。


●キリシマツツジ(霧島躑躅)


下の写真はベニキリシマ(紅霧島)。


●クルメツツジ(久留米躑躅)


下の写真は、キリン(麒麟)。久留米ツツジの中でも代表的な品種。



●ヒラドツツジ(平戸躑躅)


下の写真は、アケボノ(曙)。別名はタカネシボリ(高根絞り)。平戸ツツジの代表的な品種であるオオムラサキ(大紫)の枝変わりで生まれた品種。

花弁に紫色が混じる事があるのは、大紫の名残だろうか。



●サツキ(皐月、杜鵑花)


下の写真は、オオサカズキ(大盃)。街路樹として列植されていたり、公園等に群稙されていたりする事がとても多い。


●ヤマツツジ(山躑躅)


下の写真は、シロヤマツツジ(白山躑躅)。



●アザレア


下の写真は、品種不明。白花の縁に桃色の絞りが入る。



●ツツジとサツキ、ツツジとアザレア等、品種群間の交配も多い。

以下は久留米ツツジとアザレアの交配種、カメレオン(Chameleon)。





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