2017/06/15 14:50



学名:Cornus kousa "Shichihenge"
樹高:5m~10m ※原種のもの。これよりは低いらしい。環境や仕立て方にも因る。
樹形:株立ち状に枝が分岐。接ぎ木苗なので、根元は1本。
葉色:緑色に白色の掃込み斑。秋に濃桃色に紅葉。冬は落葉。
剪定・刈込:冬の落葉期が適期。
病気:強い。
害虫:強い。稀にガの幼虫が葉を食害していたら捕殺。
日照:日向を好むが、半日陰でも生育する。葉焼けを軽減する為に、夏の西日が当たらないと尚良い。
成長:原種より遅い。
耐寒性:強い。露地での北限は本州以南。
耐暑性:強い。
施肥:2月頃と6月頃。秋にすると尚良い。
用途:シンボルツリー、庭木、鉢植え等。



【育て方の備考】


・夏前後の強い日差しで、斑が葉焼けする事がある。夏は強い西日が当たらない所がより良い。鉢植

えでは、水切れに注意する。


・接ぎ木苗なので、台木の芽は毟る等して取り除く。


・剪定の際、花芽を落とさないように注意する。花芽は玉ねぎの様な形状で、葉芽はより細長い。

冬は芽を見分け易い。芽の少し上で剪定する。大きさを維持したり、込み合った枝を除く程度。


下の画像は七変化の花芽。初冬の頃に撮影。玉ねぎの様に膨らんでいる。



下の画像は同じく七変化の葉芽。花芽に比べて細い。



【概要】


ヤマボウシの実生が変異した個体。2016年に登録された新品種(PVP)。
春の新葉は緑色だが、初夏~夏頃から徐々に白色の斑が現れる。


夏には、白色の掃込み斑となり、とても美しい。
特に夏に展開した新葉は綺麗な白色に染まり易い。






秋には徐々に濃桃色に紅葉する。
濃桃色と白掃込み斑斑の織りなす紅葉も見事。





冬は落葉するが、新梢が桃色を帯びる点が原種とは異なる。

下の写真は春の新芽が動き出した頃の様子。葉の無い枝に濃桃色の新梢が映える。



初夏の6月前後に、花を咲かせる。
白い花弁に見えるのは苞(ほう)。苞葉(ほうよう)ともいう。
この白い苞を白い頭巾を被った僧兵に見立てた事から、ヤマボウシ(山法師)と名付けられたらしい。
花弁ではなく、花を包んでいた葉である。花は中央の緑色の球体。
七変化の花は原種とほぼ同様で、先端のとがった4枚の白い苞が四方に展開する。
春に新葉が展開しても夏までは緑色だが、だからこそ白い苞が映える。




開花期でも斑が入り始める事も有る。




秋に紅色から紅橙色に熟す果実は原種のヤマボウシに近いようだ。
赤い皮を剥がすと黄色い果肉があるので、それを食べる。
熟すと果肉が蕩ける様に柔らかく、甘く濃厚で大変美味。

以下は2016年に半日陰で熟した果実。当方が確認した最初の果実。
赤色より橙色から黄色に近い。



此方は完熟少し前の果実。紅橙色になってきた。
完熟する前に誤って採ってしまった。





初夏の白い花、夏の掃込み斑、秋の紅葉と時節毎に姿を変える様は、七変化の名に相応しいといえる。
非常に鮮やかで人目を惹くので、シンボルツリーに最適。
庭木として露地植えにするほか、鉢植えでも育てられる。



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