2016/08/30 12:53
今週、念願のヤマボウシ ’七変化’(Cornus kousa 'Shichihenge')を入荷しました。2016年の3月に品種登録されたばかりの新品種です。
作出者の方から販売可能になったとの御連絡を頂いたので、少量ですが、早速購入しました。
去年にその存在を知ってから、ずっと待ち焦がれておりました。
七変化はミズキ科ミズキ属の落葉高木であるヤマボウシの斑入り品種で、白掃込み斑がとても美しい逸品です。
斑は新芽が特に美しく、斑入り葉というよりは、白い花が咲いたようです。原種のヤマボウシの印象とはかけ離れた美しさです。
※2017/4/5追記
展開したばかりの新芽は緑色ですが、徐々に白くなっていくようです。
私はカラーリーフが好きで、仕事に託けて収集しておりますが、七変化の美しさには度肝を抜かれました。
七変化は、ヤマボウシの実生に現れた突然変異で、ヤマボウシの台木に接ぎ木して繁殖されています。
誕生してから日が浅く、接ぎ木は大量生産し辛い所為もあって、生産量は少ないです。
また、品種登録されて法律で保護されている為、無断での増殖は禁止されています。
これらの為、暫くは流通量は少ないかもしれません。
大変気に入りましたので、私も許可を得て、少量生産してみようと思います。
葉は徐々に緑色が主体になっていきますが、白色と緑色の対比や変化の様も楽しいです。
初夏に咲く花は原種のヤマボウシと同様の白色なので、やはり斑入り葉を楽しむ品種だと思います。
秋に原種同様、甘酸っぱい実をつけるそうです。
秋が近付くと、葉が徐々に桃色を帯びていきます(記事TOPの写真は8月24日の写真です)。
晩秋には濃桃色に紅葉し、とても鮮やかになります(写真を撮り損ねました)。
白色の花のような新芽、白色と緑色の対比、桃色を帯びていく様、美しい紅葉と、時節に応じて姿を変えて楽しませてくれる、まさに「七変化」です。
ヤマボウシは病害虫に強く、自然樹形を楽しむことが多い為に剪定の手間が少なく、育て易い点も有難い所です。
剪定は通風と採光を促す為、込み合った枝や徒長枝を枝元から剪定するぐらいで十分です。
原種よりは樹高が小さいらしく、成長もやや遅いですが高木になりますので、狭い場所や鉢植えでは大きさを抑える剪定も必要です。
剪定の適期は冬の落葉期です。お好みの大きさになるように、枝元から剪定してください。
花芽と葉芽がありますが、花芽は葉芽よりふっくらしているので、それを落とさないように剪定してください。
日向を好みますが、ある程度の半日陰でも生育します。
斑入り品種にありがちですが、夏の強い日差しで葉焼けする場合があります。夏の西日が当たらない場所が適していると思います。
葉焼けを考慮しても、美しくて育て易く、手間もあまり掛からない品種なので、 園芸初心者の方にもお勧めします。
とても華やかで人目を惹きますので、御庭のシンボルツリーにうってつけです。
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