2016/06/12 14:25

上の写真はアメリカハナズオウの園芸品種。左から、”シルバークラウド(Cercis canadensis ‘Silver Cloud’)”、”フォレストパンシー(Cercis canadensis ‘Forest Pansy’)”、”ハートオブゴールド(Cercis canadensis ‘Heart of Gold’)”。

学名:Cercis canadensis
樹高:5m前後 アメリカハナズオウは小高木で大きくなるが、環境や台木によっても違うと思われる。
樹形:株立ちのハナズオウと違い、1本立ち。枝が水平に伸びる、独特な樹形。
葉色:濃緑色。新芽は淡赤色を帯びる。葉色の美しい園芸種が多数作出されている。冬は落葉。
花期:4月頃。葉の展開する前に蘇芳色の花を纏めて咲かせる。ハナズオウより花がやや小さい。
剪定・刈込:花後の5月頃から梅雨明け前までに剪定。7月から8月頃に花芽が形成されるので、それまでに行う。
        伸びすぎた枝や幹を軽く切り詰める程度で良い。
        休眠期の12月から3月頃に不要枝を剪定したり、強剪定したりしても良い。
                          休眠期の剪定では、花芽を落とさないように注意する。また、葉芽を残すようにする。
        込み合った枝を整理し、通風と採光を良くする。
        自然樹形風で楽しむことが多い。
病気:強い。
害虫:普通。カミキリムシの成虫による樹皮の食害や幼虫による幹内部の食害に注意。稀にアメリカシロヒトリが葉を食害。
日照:日向から半日陰を好む。夏頃に葉焼けすると、観賞性が損なわれる
成長:普通
耐寒性:強い。
耐暑性:強い。
施肥:1月から2月の寒肥と、花後のお礼肥え。鶏糞、油粕、化成肥料等。
    マメ科らしく根粒菌が大気中の窒素を補給してくれるので、リン酸とカリを主体に施肥すると尚良い。
用途:シンボルツリー、庭木、花木、鉢植え等。



【育て方の備考】

・園芸品種は接ぎ木繁殖が一般的。台木の芽が伸びてきたら切り取るか毟り取る。

・カミキリムシ(別名テッポウムシ)に注意。成虫は見つけ次第捕殺する。幼虫が幹の内部を食い荒らすと、幹に開けた穴から木屑が落ちるので分かる。穴にスミチオン等の殺虫剤を、注射器やスポイト等で注入する。

・枝を水平方向に伸ばすので、好みの高さまで支柱で誘引して育てると良い。



【概要】

アメリカハナズオウは北米原産の落葉高木で、中国原産で株立ちに育つハナズオウと違い、幹が一本立ちに育つ。
枝が水平方向に伸びる、独特な樹形になる。

新葉の展開前の4月に、赤紫色(蘇芳色)で蝶型の花を咲かせる。落葉期で花が目立ち、群れる様に咲く為、とても目立ち美しい。



魅力的な園芸品種が多く作出されている。以下に一部紹介する。

・シルバークラウド(Cercis canadensis ‘Silver Cloud’)
新芽は淡桃色。後に白色。後に中心部から徐々に緑色になる。
夏に葉焼けし易い。


以下は葉焼けした様子。白い斑の部分が茶色く枯れる。見栄えが悪くなるが、木が枯れる事はない




・フォレストパンシー(Cercis canadensis ‘Forest Pansy’)
新芽は赤紫色。その後、光沢は消えて、徐々に緑色になるが、新芽は赤紫色。展開したての新葉は光沢がある。






・ハートオブゴールド(Cercis canadensis ‘Heart of Gold’)
新葉は黄金色。徐々に明るい緑色になるが、新芽は黄金色。




・フローティングクラウド(Cercis canadensis ‘Floating Cloud’)
シルバークラウドに似るが、斑の入り方が違う。また、若い苗だと分かり辛いが、枝の先端がやや下垂する。
最大の特徴として、シルバークラウドより、夏の葉焼けに強い点が挙げられる。