2016/11/20 14:38

※最終更新日:2022/11/7


サザンカ(山茶花)
ツバキ科ツバキ属 
学名:Camellia sasanqua

樹高:庭では3m~5mぐらいが多いが、10m~15mになる場合もある。
樹形:立性。
葉色:濃緑色。新芽は赤色。常緑広葉樹。
剪定・刈込:3月から4月が適期。花芽形成が7月頃から始まるので、それまでに。
                 成長旺盛で徒長枝が出やすいので、剪定して枝振りを良くする。
病気:強い。稀にモチ病、花腐れ菌核菌。被害が著しい場合は銅水和剤を散布。予防に散布しても良い。
害虫:強い。チャドクガ等の毛虫。アブラムシ、カイガラムシ等。通風と採光を促して予防。
日照:日向を好む。耐陰性がある為半日陰でも育つが、日差しが足りないと花付きが悪くなる。
成長:旺盛。椿より良く伸長する。
耐寒性:やや強い。露地植えでは東北南部が北限。
耐暑性:強い。
施肥:2月頃と8月から9月頃に緩効性肥料。
開花期:11月から12月頃。
植栽用途:庭木、花木、鉢植え、盆栽、シンボルツリー、仕立物、生垣等。


【育て方の備考】


・チャドクガは葉を食害するのみならず、毛(毒針毛)に触れると激しい痒みやかぶれ等を引き起こす。チャドクガに直接触れる以外にも、抜けた毛が風で飛ばされて触れる事でも被害が及ぶ事もある。4月から5月と、8月から9月頃に、幼虫が密集して葉を食害する。幼虫の食害に気付き次第、手袋や長袖長ズボン等で皮膚を隠して、葉や枝ごと切り取って駆除する。

被害が著しい場合は、殺虫剤を散布する。ペルメトリン・MEP乳剤、BT水和剤、ビフェントリン、PAP粉末剤等が有効だが、市販の毛虫用の殺虫剤でも良い。



・風通しの良い日向を好むが、半日陰でも生育する。植栽場所の配慮や剪定で込み合った枝を間引く事で、通風と採光を促す事で、病害虫の被害を予防又は軽減する事に繋がる。

また、日射量が多いと花数が増す。逆に耐陰性があるとはいえ、日射量が少ない日陰では、花数が少なくなる事がある。




【概要】


サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑小高木。原種の分布は四国西南部、九州、沖縄の一部で、暖地の山地に自生する。

古くから(江戸時代以前から)園芸品種が生み出されており、現在ではおよそ300品種が知られている。

原種のサザンカは白花だが、園芸品種は紅色や桃色、ぼかし等様々な花を咲かせる。

これらの園芸品種は、以下の四種に大別されている(異説もある。ある品種が違う系統に分けられたり、ある一群がサザンカとは別の扱いになったり等)。



■サザンカ群


10月から12月頃に掛けて、一重から二重の花を咲かせる。サザンカの代表的な一群であり、人気が高い。

サザンカの原種に近く、生態も似ている。立性の樹形が多い。

江戸サザンカの有名品種も多い。



・快童丸(カイドウマル)





■カンツバキ群


サザンカの園芸品種で、こちらも人気が高い。花期は11月から3月頃と、サザンカ群より遅く、寒い時期に開花する。

その名を冠するカンツバキやタチカンツバキは、獅子頭(シシガシラ)とも呼ばれる。

この系統がもととなっている。

横張性の樹形が多い。



・立寒椿(タチカンツバキ)





■ハルサザンカ群


サザンカとヤブツバキの雑種と考えられている。その名の通り、花期は12月から4月頃と遅い。



・鎌倉絞り(カマクラシボリ)





■タゴトノツキ群(油茶群)


中国原産の油茶(ユチャ)の系統と考えられているが、諸説あるらしい。

古くから有名な園芸品種は、田毎の月(タゴトノツキ)のみ。

11月から12月頃、白色で一重の花を咲かせる。平開咲で小輪。葉の光沢がない。






■その他サザンカの写真








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