2016/11/14 21:40

初冬を迎える頃には、花が少なくなり、秋と比べて少し寂しくなりがちです。

そんな中、サザンカ(山茶花)”Camellia sasanqua”が開花し始めています。

サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑小高木です。

東北版部以南の団地を好みますが、耐陰性や耐潮性があり、大気汚染にも強く、萌芽力があって刈込にも強く、強健で育て易い樹木です。

庭木や花木、生垣、盆栽、茶庭等、和風な用途に用いられてきましたが、美しく鮮やかな花は、洋風の家でも違和感なく用いる事が出来ます。

ツバキ(椿)"Camellia spp."に似ますが、サザンカの方が開花時期が早い品種が多いです。

また、サザンカの花は一般的なツバキの花とは違い、仄かな良い香りがします。

 

古くから人々に愛され、江戸時代に多くの名花が作出されたサザンカには、花色、花形ともに多様な品種があります。

品種の数は、現在では300品種ともいわれます。

不勉強で品種を特定する自信はありませんが、少し御紹介します。

 

下の花は、白花の縁が淡桃色になる一重咲きの品種です。色合いは「御美衣(おみごろも)」に似ているかと思います。

清潔感の漂う白色と、可愛らしい淡桃色とのコントラストとグラデーションが見事な品種です。

気に入りましたので、少量生産しています。

 

  

 

花付きが良く、花期の成木は花に覆われます。

 

 

 

 

以下は、濃桃色の二重咲きの品種です。上記の品種より大人っぽく派手な印象を受けます。

 

 

 

サザンカは長年の品種改良により、可愛らしい花や綺麗で派手な花、清楚な花と様々な品種が作出されています。

お探しになれば、必ず用途やお好みの品種に出会えると思います。

また、開花期の違う品種を植えたり、ツバキ等も植えたりすれば、寂しい冬の庭を長らく彩ってくれます。

花がお好きな方は、冬の庭は侘しさと寂しさを感じてしまうこともおありかと思います。

そんな時は、サザンカやツバキ等の冬の名花を楽しみながら、春の到来を待たれるのも一興だと思います。

拙い文章と少ない写真で恐縮ですが、古くから日本人に親しまれてきたサザンカの魅力を、少しでもお伝えできたら幸いです。