2018/06/10 17:07

学名:Osmanthus heterophyllus 'Goshiki'
樹高:1~3m。※仕立て方や環境にも因るので目安。原種は5mほどになるが、この品種は生育が遅く、横張性の樹形に育つので、そこまで大きくならない。
樹形:横張性。原種と違い、こんもりと育ち易い。
葉色:緑色の葉に白色、クリーム色、黄色の砂子斑が入る。新芽や冬は赤色や桃色。
剪定・刈込:4月と6月下旬から7月が適期。他に9月から10月。萌芽力が強く、他の時節に剪定しても良い。
病気:強い。稀に炭疽病。
害虫:普通。テントウノミハムシや、マエアカスカシノメイガが付く事がある。見つけ次第捕殺し、被害が大きい場合はスミチオン等MEP乳剤を散布する。萌芽力が強いので、被害を受けても回復する。
日照:日向を好むが、耐陰性があるので、半日陰でも生育する。極端に乾燥する場所は不適。
成長:遅い。原種よりもかなり遅い。
耐寒性:普通~やや強い。露地植えでは東北南部以南が適地。
耐暑性:強い。
施肥:2月と9月頃に緩効性肥料。露地植えの場合、痩せ地でなければ施肥しなくとも問題ない。
用途:庭木、花壇、寄せ植え、鉢栽培、盆栽、クリスマスツリー、グラウンドカバー等。



【育て方の備考】


・テントウノミハムシや、マエアカスカシノメイガが発生する事がある。5月から8月頃が特に多い。どちらも葉を勢いよく食害する。見つけ次第捕殺し、被害が著しい場合は、スミチオン等を散布する。小型の品種なので、家庭用のスプレー型殺虫剤でも十分と思われる。


・耐寒性は弱くはないが、厳しい寒さは好まない。冬の寒風が当たらない場所がより良い。参考までに、関東では北側に植えても越冬する。


・9月から10月頃に剪定すると、冬に新芽が痛む恐れがある。そうなると、春の生育が少し遅れるが、萌芽力が強い為、株が枯れる事はない。その年の気候や、植栽場所の寒風の当たり易さ等にも因るので、一概に痛むとは言えない。剪定後の新芽が冬の寒さで生育が止まり、美しい新芽を長く楽しめる為、一長一短ではあると思う。


・特に土質は選ばないが、乾燥は好まない。鉢植えでは水切れに注意し、表土が乾いたら鉢底から水が流れるくらいに灌水する。特に夏の水切れは、葉焼けしたり、一部の枝が枯れたりするので、注意する。



・原種にも言えるが、偶に鋸歯の無い葉が現れる。樹齢を重ねると現れ易くなるが、元々の性質なので問題はない。



【概要】


ヒイラギの園芸品種。鋭い鋸歯のある濃緑色の葉に、白色・クリーム色・黄色の細かい斑(砂子斑)が入る。


新葉は紅色や桃色で、後にクリーム色等に変化する。


斑の入り方が葉の一枚一枚で違い、新葉の葉色の変化もあり、五色の万華鏡のような美しさである。

原種より生育がかなり遅く、樹形が開帳性で小さくこんもりと纏まる為、大きくなり過ぎて困る事はない。鉢植えや狭い場所にも向く。
強健で育て易い点も考慮すると、園芸初心者にもお勧めの品種といえる。
尚、芯となる枝を残して他の枝を剪定すると、スラリとした立性のような樹形になる。
盆栽や仕立物等の目的で、樹形を造っていく事も可能。