2016/02/29 15:01

学名:Irex rotunda
樹高:10m~20m
横幅:10m~20m ※樹高と横幅は環境にも因る。
葉色:光沢のある濃緑色。葉は乾くと黒金色になる。若い枝や葉の軸は黒色を帯びた紫色。
剪定・刈込:主な季節は春から初夏、梅雨時、9月から10月。

       樹高を抑える為に頂上部を剪定し、樹形を乱す徒長枝や飛び枝等の不要枝を剪定する。

       萌芽力は強いので、刈り込みによく耐える。

       強く剪定すると今年の花や実、来年の花芽を落とし、一時、実生りが悪くなる場合がある。木に悪影響はない。
病気:強いが、偶に斑点病に罹患する事も有る。
害虫:強い。ハマキムシが現れたら捕殺するか、殺虫剤を散布する。
日照:日向を好むが、ある程度の半日陰でも可。
成長:遅い。
耐寒性:やや弱い。露地植えの植栽範囲は関東以西。
耐暑性:強い。
施肥:1月から2月に寒肥。リンとカリを主体に施肥すれば実を多く生らせる。窒素を主体に施肥すると実生りが悪くなる場合があるが、良く成長する。用途に応じて使い分ける。

植栽用途:庭木、シンボルツリー、生垣、添景木、目隠し、鉢植え、盆栽等。樹形は自然樹形の他、玉散らし等の仕立物に用いられる。鳥が実を食べに来るので、鳥の観察ができる。樹皮からはとりもちや染料が取れる。大気汚染に強いので、道路沿いにも植えられる。防火性にも優れる為、隣家の延焼を防ぐ用途にも植栽された。


【育て方の備考】

・寒さにやや弱く、冬の寒風に当たるとやや落葉することがある。北風の当たらない南側等で育てると良い。


・強健な樹木だが、偶に斑点病に罹患する場合がある。葉や茎に褐色の斑点が現れ、かなり落葉する場合もある。罹患して落葉しても来年萌芽するが、罹患した葉があると新葉も罹患する。罹患した場合、罹患した葉を全て集め、焼却する。被害が著しい場合、春から梅雨時に掛けて殺菌剤を散布する。予防の意味を含め、他の樹木のついでに散布するのも良い。


・雌雄異株で、実の生る雌株は接ぎ木繁殖が一般的である。台木の枝が伸びた場合は枝元から剪定する。



【概要】

暖地の山野に自生する、常緑高木の広葉樹。古くから庭木として愛されてきた。同属のモチノキより耐寒性にやや劣り、東はモチノキ、西はクロガネモチが良く用いられる。葉が乾くと黒金色になることから、クロガネモチと名付けられた。クロガネモチを「金持ち」と掛けて、縁起木としても扱われる。


秋から冬にかけて、直径5mm~8mmほどの赤い実を生らせる。実が生るのは雌株のみ。近くに雄株が見当たらなくても、虫が遠くから花粉を運んで受粉してくれるのか、安定してよく結果する。濃緑色の葉と赤い実の対比が美しい。

モチノキより実が沢山生る。実は鳥の好物なので、鳥を呼んで観察できる。


5月から6月頃、葉腋に淡紫白色の花を咲かせ、同時に、6月頃に翌年の花芽が形成され、10月から翌年の2月頃まで実が生るので、強剪定すると一時、実を観賞出来ない場合がある。枝が育てばまた開花、結果する。萌芽力があるので、強く刈り込んでも良く再生する。大きくなりすぎて小さく仕立て直したい場合等も思い切って剪定できる。

9月から10月頃、実を切り落とさないように、樹形を乱す、徒長枝や飛び枝等の不要枝を剪定するだけでも、実を楽しめながら樹形を整えられる。成長は遅いが高木になるので、好みの大きさになったら、毎年先端部を剪定して、大きさと樹形を維持すると良い。


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